筝曲と西洋音楽を融合させた作曲家、宮城道雄の絶対に押さえるべき代表曲6選

日本の伝統と西洋音楽の融合!宮城道雄の有名曲ランキング【ベスト4】

明治から昭和にかけて活躍した箏曲家、宮城道雄。

幼いころに失明した彼は音楽の道に進み、若くして箏を極め、のちに有名な箏曲の作曲家となりました。

宮城の作る音楽は伝統的な箏曲であるものの、西洋音楽の要素が積極的に取り入れられており、日本の伝統と西洋が融合した革新的なものになっています。

ニャンチーニ教授

といことで、今回は西洋音楽を積極的に取り入れた箏曲家、宮城道雄の代表曲を6曲紹介していくぞ
誰もが聴いたことのある名曲から、ちょっとマイナーな曲まで、いろいろありますよ!

クラーニャ

1曲目:春の海

Japanese Koto 春の海/Haru no Umi (Spring Sea) Composer/作曲者 Michio Miyagi/宮城道雄

クラーニャ

日本の正月といえばこの曲ですね

曲の解説
まず最初に紹介するのは宮城道雄の一番有名な曲《春の海》です。

この曲は本来、箏と尺八の二重奏ですが、バイオリン版も知られています。また尺八をフルートに代えて演奏する場合もあります。

作曲のきっかけは皇室の新年行事「歌会始(うたかいはじめ)」でした。この時だされたお題は「浜辺の巌(いわお)」。宮城はこのお題を元に、失明する前に観た瀬戸内海の景勝地「鞆の浦」の景色を思い起こして、作曲したそうです。

最初だけ聴くと純和風に聞こえる《春の海》ですが、途中から西洋音楽の特徴が強く現れてきます。日本の伝統音楽と西洋音楽が融合した、宮城道雄を代表するにふさわしい楽曲といえます。

フランスの有名な女性バイオリニスト、ルネ・シュメーと共演したレコードはアメリカやフランスでも発売され、国外の人々にも認知され親しまれる曲となりました。

2曲目:さくら変奏曲

Japanese Koto さくら変奏曲/Sakura hensokyoku(Theme and Variations on the Sakura Melody)

ニャンチーニ教授

有名な民謡を西洋風の変奏曲にした楽曲じゃ

曲の解説
2曲目は日本人なら誰もが聴いたことのある《さくら変奏曲》です。

この曲は日本の古い歌曲《さくらさくら》を8つの変奏曲として編曲したものです。モーツァルトの《きらきら星変奏曲》と思い浮かべるとわかりやすいと思います。

日本の曲を様々な技法を用いて西洋式の変奏曲にアレンジしたこの曲は、宮城を知る上で欠かせない曲でしょう。

3曲目:水の変態

伝統音楽デジタルライブラリー 箏演奏 「水の変態」

クラーニャ

色々な姿に変化する水を表現した曲です。偶然か、ドビュッシーも同時期に似たようなテーマの曲を作っていますね

曲の解説
3曲目は宮城が14歳のときに作曲した処女作《水の変態》です。

この曲は水が、霧・霰・雲・露・雨・霜・雪と様々に姿を変える様子を詠んだ連作短歌に着想を得て作曲されました。

基本は箏の独奏(もしくは二重奏)ですが、途中で宮城が着想を得た短歌が歌詞として唄われます。

邦楽の伝統的な形式で作曲され、とても14歳の作品とは思えない作りになっています。

この曲の本来の演奏時間は15分ほどですが、そのままだと長いため抜粋して演奏されることが多くあります。上で紹介した演奏も抜粋版になっています。

4曲目:瀬音

Japanese Koto 瀬音/Seoto (Sound of the Rapids) Composer/作曲 Michio Miyagi/宮城道雄

ニャンチーニ教授

川の様子を2種類の箏で表現した曲じゃ

曲の解説
4曲目は《瀬音》です。この曲は箏と十七絃(じゅうしちげん)で演奏されます。

十七絃は17本の絃を持つ箏で、普通の箏が高音を担当するのに対して、十七絃は低音を担当します。西洋楽器でいう、バイオリンとチェロの関係に似ています。

宮城はこの曲を、利根川からインスピレーションを得て作曲したそうです。利根川の激しい川の流れは箏の高音で、筏の曳航や穏やかな水面は十七絃の低音で表現されています。

この曲には箏の伝統的な奏法以外に、トレモロ奏法やピッツィカート奏法といった西洋楽器に由来する奏法が取り入れられています。

5曲目:さらし風手事

宮城道雄 /「さらし風手事」

クラーニャ

演奏会で人気の曲です!2つの箏で演奏される二重奏ですよ

こんな曲
5曲目は《さらし風手事》です。演奏頻度でいえば、宮城の作品の中でかなり上位に入る楽曲です。

この曲は高音と低音の箏の二重奏で、宮城が作曲した最後の箏二重奏曲になります。

「さらし(晒地)」とは邦楽の伝統的な音型パターンのことで、布を川の水にさらして漂白する「布ざらし」の情景を表現しています。

この曲はリズミカルで、かつ緩急のメリハリがあり 、聴き映えのする曲なので、「作曲家の作品というより演奏家の作品と言ってよい」といわれることもあるそうです。

6曲目:ロンドンの夜の雨

筝曲 ♪ ロンドンの雨 ♪ Koto music

ニャンチーニ教授

宮城がロンドンで作曲した箏曲じゃ。初演もロンドンで行われたぞ

こんな曲
最後に紹介する曲は《ロンドンの夜の雨》です。今回紹介した曲の中で、最も遅い時期の作品になります。

作曲のきっかけは、宮城がロンドンに滞在していた夜、窓から聞こえてきた雨の音。その雨の印象を元に、即興で作曲されたと云われています。

この曲は作曲後、すぐに現地ロンドンのBBCで初演が放送されました。

宮城はこの曲についてこう語っています。

「ある夜、一晩中降り読いたことがあって、その音がいかにも印象的だった。高い建物から伝わって落ちる雫を、銀色の球のように想像した。 濡れた大地を走る車の音にも情緒を感じた。私は昔から数多く出た英国の詩人のことなどをよもすがら想像しながら作曲した。」