軽音楽の巨匠!ルロイ・アンダーソンの有名曲ランキング【ベスト8】

ルロイ・アンダーソンの有名曲ランキング【ベスト8+α】

ルロイ・アンダーソンは20世紀に活躍したアメリカの作曲家。軽快で親しみやすい曲調の管弦楽曲を多く作曲し、「アメリカ軽音楽の巨匠」と呼ばれていた。

若いころはバンドマスターやダンスホールのミュージシャン、学生合唱団の指揮者や教会オルガニストなどを務めており、それが彼の作曲に大きく影響した。

名門ハーバード大学に入学した秀才でもあり、ここで音楽の修士号を取るとともに、言語学の研究員も務めていた。この経験を買われ、第2次世界大戦時にはスカンジナビア語(北欧の言葉)担当の情報将校としてペンタゴンで働いている。

作曲家としての初仕事は30歳ごろに手掛けたハーバード大学の学生歌の編曲で、これがアメリカの有名な指揮者アーサー・フィードラーの目にとまり、作曲家の道を歩むきっかけとなった。

ニャンチーニ教授

このページでは、そんなアンダーソンの有名曲をランキング形式で紹介していくぞ
ランキングはベスト8までです!1位から順番に紹介してい行きますよ

クラーニャ

ランキングの算出方法
このランキングはウィキペディアの各解説ページの年間閲覧数を基に作成しています。対象言語は英語やフランス語、スペイン語などの主要言語から、タイ語やポーランド語のようなマイナー言語まで、ウィキペディアに存在するすべての言語です。

APIを使用して抽出した各言語の閲覧数を合計することで、世界中でどれだけ閲覧されたかを算出し、世界ランキングにしています。

ランキングの集計方法の特性上、オペラやバレエなどが優位になりやすいです。

対象期間は2017年のデータです。

有名曲ランキング

1:そりすべり

Sleigh Ride (Anderson)

総PV:78,535

こんな曲
《そりすべり》はクリスマスシーズンの定番曲。その人気は凄まじく、アメリカの作曲家協会の調査で、2009〜2012年にアメリカで最も人気のあるクリスマス音楽に選ばれた。

アンダーソンがこの曲を構想したのは1946年7月。当時彼が住んでいた地域は記録的な熱波に襲われており、よほどの冬が恋しかったのだろう。しかし曲の完成は翌年の2月だった。

この曲は特にクリスマス用に作曲されたわけではない。いちおう付けられた歌詞の中に「クリスマス・パーティー」と単語がでてくるのだが、他にバースデー・パーティーの描写もあり、冬全体をテーマにしているといっていい。

シャンシャン鳴るスレイベルの音が、降り積もる雪を描写している。

閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語71,723
2位:ドイツ語3,542
3位:イタリア語1,387
4位:スウェーデン語1,090
5位:ノルウェー語244

※日本語はAPIエラー

2:タイプライター

1953 HITS ARCHIVE: The Typewriter – Leroy Anderson (his original version)

総PV:38,712

こんな曲
《タイプライター》はそのタイトルから想像できる通り、楽器としてタイプライターが使われる曲。

この曲でタイプライターが奏でる音は3つ。キーをタイプする音「チーン」と鳴るベル音改行のためのレバーの操作音である。

この3つの音で、仕事に追われる忙しいオフィスの様子がコミカルに描写されている。

当初、タイプライターの奏者として雇われたのは速記の専門家だった。しかし演奏の結果、手首に柔軟性のあるプロのドラム奏者のほうが演奏に向いていることが判明し、その後はプロの演奏家が担当することとなった。

閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語22,164
2位:日本語9,182
3位:スペイン語5,637
4位:イタリア語1,385
5位:ポルトガル語344

3:ブルー・タンゴ

Leroy Anderson – Blue Tango (Stereo)

総PV:10,691

こんな曲
《ブルー・タンゴ》は伝統的なタンゴをアメリカ流にアレンジした管弦楽曲。この曲が録音されたレコードは大ヒットし、1952年のビルボード・ヒットチャートで1番のヒット曲になった。

タイトルにあるブルーとはジャズを象徴する色で、ジャズの曲や、その様式を用いた曲のタイトルに用いられることが多い。もちろんこの曲にも、ジャズの様式が取り入れられている。

ジャズにとってのブルー
ジャズはブルースから派生したジャンル。ブルースは黒人が歌う哀調を帯びた歌曲で、憂鬱を意味するブルーがその名前の由来となった。

ブルースの要素を引き継ぐジャズにとって、ブルーは自身のルーツを示す重要な意味を持っている。

ジャズとブルースには共通した音階が用いられ、その音階はブルー・ノート・スケールと呼ばれる。
閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語8,462
2位:日本語1,745
3位:イタリア語209
4位:ポーランド語132
5位:ペルシア語95

4:シンコペーテッドクロック

Leroy Anderson – The Syncopated Clock

総PV:10,400

こんな曲
《シンコペイテッド・クロック》は狂った時計を表現した管弦楽曲。時々外れるリズムが狂った時計をうまく表現している。

シンコペイテッドとはシンコペーションのことで、リズムの正常な流れを故意に変えて、独特な効果をもたらす技法。アメリカで生まれたラグタイムも、この効果を利用している。

アンダーソンは自分を評価し、作曲の道に導いてくれた指揮者のアーサー・フィードラーのために、新しい曲を作ろうと考えていたようで、その結果生まれたのがこの曲だった。タイトルが先に決まり、数時間で曲が完成したと伝えられている。

この曲が初演されたのは、なんと1945年の5月28日。このころはまだ第2次世界大戦が終結しておらず、日本と戦争中だった。アメリカは戦時中にこんな楽しい曲を演奏できたのだから、日本との国力差を感じずにはいられない。

この曲はアメリカCBS系列の深夜番組「The Late Show(ザ・レイト・ショー)」のテーマ曲として使用され、有名になった。発売されたばかりのこの曲に番組プロデューサーが目を付け、新しく企画されたこの番組のテーマ曲に抜擢したのが始まりだった。そのおかげで、この曲の作曲家と曲名は知らなくても、メロディーは知っているというアメリカ人はすごく多いそう。

日本ではイオン・グループ各店舗のクリーンタイムに流れる曲としても有名。イオンのクリーンタイムは11時・15時・19時に設定されていて、時報と共にこの曲が流れると、従業員が売り場のチェックや掃除を行っていく。この曲はその時に流されている。

閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語10,400
2位:該当言語無し
3位:該当言語無し
4位:該当言語無し
5位:該当言語無し

5:トランペット吹きの休日

Bugler's Holiday

総PV:9,905

こんな曲
《トランペット吹きの休日》は陽気なメロディーが特徴の管弦楽曲。日本では運動会のBGMとしてや、活気のある様子を演出するための曲として有名。

この曲は3本のトランペットが主役になっており、このトランペット達が常に速いテンポで休みなく演奏される。トランペット奏者にとっては休日どころか激務に近い作品といえるだろう。

この曲はタイトルと内容が真逆なことから、《トランペット吹きの休日出勤》や《トランペット吹きの休日返上》、《トランペット吹きの過労》と揶揄(やゆ)されることもある。

本来のタイトルは《ラッパ手の休日(Bugler’s Holiday)》なのだが、実際の演奏にはトランペットが使われることから、《トランペット吹きの休日》の呼び名が一般的になっている。

ラッパ手とは?
ラッパ手とは軍隊でラッパ吹きを担当する人のこと。ラッパ手が吹くラッパ(ビューグル)は小型で音を調節するバルブが付いていないが、甲高く遠方まで響き、騒音の中でも聞き取ることができ、太鼓と並び軍事的な連絡手段として古来から使用されてきた。
閲覧数の内訳(トップ5)
1位:日本語9,905
2位:該当言語無し
3位:該当言語無し
4位:該当言語無し
5位:該当言語無し

6:トランペット吹きの子守歌

Leroy Anderson: A Trumpeter's Lullaby | Wheaton College Symphonic Band with Brandon Ridenour

総PV:4,290

こんな曲
《トランペット吹きの子守歌》は、トランペット曲には珍しいゆったりとした曲調の曲。

作曲のきっかけはボストン・ポップス・オーケストラ(BPO)のトランペッター、ロジャー・ボイジンの一言だった。アンダーソンは彼に「伝統的なトランペット曲は、そのほとんどが騒々しく勇敢で意気揚々としているが、なぜそれとは違う曲を書かないのか」と言ったそうだ。

ボストン・ポップス・オーケストラとロジャー・ボイジン
ボストン・ポップス・オーケストラは、ボストン交響楽団が夏のオフシーズンの間、音楽普及を目的としたコンサートのために編成を変えたオーケストラ。メンバーは基本的にボストン交響楽団と同じ。

アーサー・フィードラーが常任指揮者を務めていた時代が黄金期といわれ、この期間中に知名度を大きく広げた。アンダーソンの才能を見出し、作曲家になるよう勧めたのもフィードラーである。

そのフィードラーが指揮するボストン・ポップス・オーケストラとボストン交響楽団の主席トランペッターを務めたのがロジャー・ボイジン。彼はフランス出身だがアメリカで活躍し、ニューヨークタイムズから「アメリカで最も有名なトランペッターのひとり」と称えられた名トランペッターだった。

フィードラーが指揮者を退いた後、後任に選ばれたのは、映画「ジョーズ」や「スターウォーズ」のテーマ曲で有名なジョン・ウィリアムズである。
閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語2,389
2位:日本語1,901
3位:該当言語無し
4位:該当言語無し
5位:該当言語無し

7:ゴルディロックス

"I never knew when…" Orchestral version by Leroy Anderson

総PV:3,939

こんな曲
《ゴルディロックス》はアンダーソン唯一のミュージカル作品。内容はミュージカル女優が大金持ちと映画監督のどちらを選ぶかというもの。

タイトルの「ゴルディロックス」とは、イギリスの童話《3匹の熊》に出てくる金髪の女の子の名前。ゴルディロックスという言葉は、この物語にちなんで「ちょうどいい」という意味で使われている。

閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語3,939
2位:該当言語無し
3位:該当言語無し
4位:該当言語無し
5位:該当言語無し

8:フィドル・ファドル

Leroy Anderson: Fiddle Faddle. Vancouver Symphony Orchestra.

総PV:1,989

こんな曲
《フィドル・ファドル》はアメリカ軽音楽の巨匠と呼ばれたアンダーソンらしさがもっとも詰まった管弦楽曲。

フィドル・ファドル(Fiddle Faddle)とは「馬鹿騒ぎをする」や「くだらない騒ぎ」という意味を持つ言葉。そしてフィドル(Fiddle)はヴァイオリンの英語名でもあり、この曲のタイトルは《馬鹿騒ぎするヴァイオリン》という意味をもっている。

この曲のメロディーはイギリス民謡の《スリー・ブラインド・マイス(三匹の盲目ネズミ)》から転用された。

3D Animation Three Blind Mice English Nursery Rhyme for children with lyrics

三匹の盲目ネズミ、三匹の盲目ネズミ
彼らの走りっぷりを見てごらん
彼らのシッポを切り取った
農家の奥さんを追いかける
こんな光景、今まで見た事あるかい?
三匹の盲目ネズミなんてさ。

引用されたスリー・ブラインド・マイスの内容も、フィドル・ファドルの意味とリンクしている。

ボストン・ポップス・オーケストラの指揮者アーサー・フィードラーはこの曲を大変気に入っており、あまりにも頻繁に演奏することから、聴衆はこの曲に《Fiedler-Faddle(フィードラー・ファドル)》とあだ名を付けたそう。

閲覧数の内訳(トップ5)
1位:英語1,820
2位:スペイン語169
3位:
4位:
5位:

ランク外の有名曲

ニャンチーニ教授

惜しくもランク外になった有名曲も一緒に紹介するぞ
ウィキペディアに解説ページが無くて、ランキングに入れなかった曲たちですね

クラーニャ

ワルツィング・キャット(踊る子猫)

1950 Leroy Anderson – The Waltzing Cat

こんな曲
《ワルツィング・キャット》は遊びまわる猫を描写した曲。

猫が駆け回る様子は弦楽器を爪ではじくピチカート奏法で、猫のニャオーという鳴き声はヴァイオリンの弦を滑らせるように演奏するポルタメント奏法で表現されている。

曲の最後には犬の吠える音も入っており、猫が逃げて終わるコミカルな演出に要注目。

プリンク・プランク・プルンク

Leroy Anderson: Plink, Plank, Plunk

こんな曲
《プリンク・プランク・プルンク》は、弓を一切使わず演奏される珍しい弦楽合奏曲。

タイトルは「ポロン・ボロン・ボロロン」のような語呂のいい弦を弾く擬音語で、曲の冒頭にある3つのピチカートがそれを暗示している。

この曲を解説している日本のサイトでは、タイトルの意味を「ぽろん、ばたん、どすん!」のような物が落ちる音と推測しているところが多く、解説サイトによって見解が違う。

アンダーソンは若い頃、ベース奏者としてオーケストラに参加していた。そこでの経験から、作曲家に無視されがちなピッツィカート奏法に特別な関心を向けていた。「ピチカート奏法の一例を示したかった」というのが、この曲を作曲したきっかけだったようだ。

ちなみにこの曲にはピチカート奏法以外にも、弦楽器の表面を手でこすって「シュッ」と音を出したり、コントラバスをクルッと回転させるなど、独特なパフォーマンスが取り入れられている。

サンドペーパー・バレエ

Sandpaper Ballet | Brandenburger Symphoniker

こんな曲
《サンドペーパー・バレエ》は、紙やすりが楽器として使われる珍しい楽曲。

紙ヤスリの擦れる音は、ボードビルで上演されていた「バレエシューズのような柔らかい靴」を履いて踊られるダンスの靴音を描写している。

ボードビルとは?
ボードビルはアメリカで歌や踊り、劇などを織り交ぜて上演される大衆的なショー。19世紀末から20世紀にかけて全盛期を迎えたが、映画の台頭によって下火になった。

舞踏会の美女

"Belle of the Ball" – waltz by Leroy Anderson

こんな曲
《舞踏会の美女》はアメリカ流にアレンジされたウィンナ・ワルツ。1952年に大ヒットしたブルー・タンゴのレコードのB面に収録されていた。

ウィンナ・ワルツとは?
ウィンナ・ワルツは19世紀のウィーンで流行したワルツ。大勢の人が参加する舞踏会で演奏される。ウィーンのシュトラウス一家の作品が有名。

この曲の原題は《Belle of the Ball》。Belleは一番の美人を意味する言葉で、直訳すると「舞踏会で一番の美女」になる。ディズニー映画になった「美女と野獣(La Belle et la Bête )」に出てくるベルも同じ意味で使われている。

アンダーソンはこの曲で、ウィンナ・ワルツの復興と再流行を目指したといわれている。この曲が作曲された当時、ワルツといえばテネシーワルツに代表されるスロー・ワルツだった。伝統的なウィンナ・ワルツはあまり演奏されておらず、流行遅れだったのである。

スロー・ワルツとは?
スロー・ワルツはウィンナ・ワルツがアメリカに伝わり生まれたワルツ。ウィンナ・ワルツよりもゆったりとしたテンポで踊られる。イギリスに伝わり競技ダンスの一つとなった。社交ダンスで踊られるワルツはこちらのほう。

この曲にはウィーンのシュトラウス一族ではなく、チャイコフスキーのワルツの要素が使われている。チャイコフスキーはウィンナ・ワルツをもっとも積極的に取り入れたオーストリア以外の作曲家だった。これはアメリカ人としてウィンナ・ワルツを作曲したアンダーソンの、ちょっとした洒落と思われる。